
医学部受験|志望理由の書き方のポイントと注意点を押さえておこう
医学部受験では、小論文で志望理由を書くよう求められることが多くあります。志望理由の対策を行っている医学部予備校もありますが、他の学科の学習が忙しく、なかなか手が回らないというのが現状ではないでしょうか。場合によっては長文で求められることもありますので、受験前に書き方について対策を立てておくことが賢明です。
医学部志望理由は自分の頭で考えよう
医学部を目指す理由には個人差があり、それを文章で表現する方法も十人十色です。もしかしたら心に抱く志望理由は他の人と異なり、表現するのが恥ずかしいと思う人がいるかも知れませんが、自分の本音が文章に深みをもたせることになります。
志望動機のモデル回答は誰でも書けますが、自分の本音や情熱をベースにした書き方には、個性がにじみ出ます。それがほかの受験生と差別化することにつながり、試験官の目に留まるかもしれません。
モデル回答を参考に文章を書けば、表面上はきれいな文章ができあがるかもしれませんが、試験官に回答を丸写ししたことがバレてしまえば、逆効果になってしまいます。試験管はありふれた回答を求めているのではなく、個性やその学生が持つ価値観だということが分かれば、自分の本音で書くことが大事だということが分かるのではないでしょうか。
通っている医学部予備校で小論文の対策授業を行っている場合は、ぜひ自分のリアルな声をもとに書くということを忘れずに、対策に取り組むことをおすすめします。
考えれば考えるほど志望理由がぼやけてくるかもしれませんが、言葉で表現できるほど明確になるまでなぜを繰り返していきましょう。自分の気持が良くわからない場合も、根気よく続けてみて下さい。初めはぼんやりとしていた医学部を希望する自分の気持ちが、やがて頭の中で自分の気持が鮮明になってきます。
志望理由を伝わりやすいように書くには
志望理由は自分の気持から出てきているものですが、文章で表現する場合は、理論的に展開させる必要があり、簡潔にわかりやすく伝えるには、文章構成が必要になります。
文章構成の方法は文章の長さによって異なりますが、例えば800文字の論文なら4部構成にして、各200文字ずつ振り分けると良いでしょう。例えば1部その医学部に志望する理由と、具体的な目標・2部医師を志した理由・3部将来のビジョン・4部入学後に学びたいこと、といった文章構成です。
必ず各構成部200文字きっかりにすることはありません。4部の最後に、締めくくりの言葉として50文字残すという構成方法もありです。実際に書いてみて文字を調節すると良いでしょう。
4部構成で800文字書くのが厳しいと感じたら、構成部をもう一つ増やしても問題ありません。面接官が知りたいのは、なぜこの大学なのか・なぜ医師になりたいのかという2点です。それを説明できるように文章構成をし、展開させていくのが、伝わりやすい文章の書き方です。
伝わりやすい文章を意識するなら、各段落の始まりは短く言い切るように書きます。例えば1部だったら、文の始めに医学部に志望する理由をズバリと書きます。そうすると試験管はなぜそう思うのか知りたくなり、興味を持って読みすすめるようになるでしょう。
文章の始まりは結論から書き出すことで、伝わりやすくなります。結論を始めに書いたらそこに至る理由を書き、必要であれば具体的な例を出します。結論・理由・根拠・結論を繰り返す書き方はPREP法と呼ばれますが、プレゼンなどでも利用されている書き方です。
志望理由の書き方についての注意点やポイント
志望動機を説明する時、子供の頃に体験したことやエピソードを使うとわかりやすく伝わります。そのエピソードも、医師でなくてはならない理由と納得するほどの、インパクトがあるものだとなおさら良いでしょう。例えば祖父がガンで苦しみながら亡くなったことが、医師になってガン治療に一生を捧げることを決意させたなどです。
大学を志望する理由についても同じことが言えます。通っている医学部予備校から進学してる人が多いからというと、説得力はあまりありませんが、その大学の医学部を卒業した医師に強く憧れている、臨床実習を積極的に行っているということであれば、その大学でなければならない理由に大きく近づきます。
医師になりたい理由は、自分自身の過去を振り返ったり、身の回りに起きたエピソードを思い出すことで書くことができますが、その大学を選んだ理由は、その大学についてよく知らなければインパクトのある理由が出てきません。大学のホームページや医学部の取り組みなどについて可能な限り情報を収集し、そこで共感できるものを書き出します。その中で最もインパクトを与えられそうなものを選び、文章に書いてみましょう。
志望する理由をダラダラ並べた文章は、読み手に与えるインパクトが少なくなります。これだ、と思える強烈なものを1つ、多くても2つまでにし、そこから話を展開させるようにしましょう。
医学部の志望理由の書き方について見てきました。大切なことは、自分の素直な気持ちから出てくる理由を文章にすることです。文章の構成を決め、わかりやすく書ことを意識するだけでも、文章が違ってきます。医師になる理由やその大学を選ぶ理由を常に自問していくと、良い案が浮かぶこともあります。
書き方に悩んだら、医学部予備校の担当講師に相談してみるというのも一つの選択肢です。